防衛機制ってなに?

防衛機制なぜおこる?のタイトル画像です。心理学
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読んでほしい人

・心理学に興味がある人
・防衛機制がどんな時に起こるのか知りたい人

精神的な安全を保つための無意識的に心の中の不安や恐怖、欲望、衝動などを抑えて鎮める働きを防衛機制と呼びます。

ジークムント・フロイトが診察したヒステリー患者の多くが嫌な記憶や感情などを意識しないように無意識のうちにしていると気が付き防衛反応が生じていることがわかりました。

しかし、その一方でその記憶や感情などが身体的な症状に置き換わることにも発見しました。防衛機制にも種類があるので、紹介していきます。

防衛機制の種類

1.退行

子ども・成人を問わず、幼児期がするような行動をすることで欲求不満を解消する反応のことを指します。
退行状態からすぐにもどる状況(正常な退行)と退行状態が続く場合(病的な退行)とが存在します。

例)人目を気にせずに、町で大泣きをする等

2.抑制

衝動や願望があったりしても、表面に現れないように拒否する意識的な反応のことを指します。
抑制は、社会人の方が多く日々体感しているかもしれません。

例)会社に行きたくないけど、行かないとクビになってしまう等

3.抑圧

抑圧は、抑制よりも意識に出てこないように無意識的な反応のことを指します。
無意識的に行われているために、本人の自覚は通常ありません。

例)家庭内DVを受けていても、これよりひどくなることを恐れて泣いたりせずに無意識に笑顔になってしまう等

4.昇華

良い方向に欲求を発散できている良い防衛機制と言われています。
衝動を、反社会的にならないような形で発散して欲求を満たそうとする反応のことを指します。

例)破壊衝動に駆られるが、警察に捕まってしまうのでボクシングや空手のスポーツをして衝動の欲求を満たす等

5.合理化

欠点を認めずに自分を正当化する反応のことを指します。
無意識的にやっていることもあるので本人に自覚がなく、指摘すると否認が生じることがあります。

例)相手が怒ったのは、私が悪いのではなく相手が子どもだったから仕方ない等

6.感情転移

特定の人や物に向いていた感情を、似ている人や物に向けることで欲求を満たそうとする反応の事を指します。

例)昔の恋人を忘れれず、似たような年齢や背格好の人と付き合いだす等

7.置き換え

関係のない部分にまで、感情を向ける事で欲求を満たそうとする反応のことを指します。

例)好きな人が使っている物まで、好きに感じてしまい触れるだけで幸せに感じる等

8.知性化

感情を表現する恐怖から、頭がよさそうな回りくどい表現をする反応のことを指します。

例)私と結婚してください。と言わないで、給料3か月分のプレゼントです。という等

9.逃避

現状を避け、ほかの物事に興味やエネルギーを向ける反応のことを指します。
現実逃避と言ったりします。

例)大学に行くのが楽しくないから、バイトのシフトを毎日8時間にする等

10.同一化

自分以外のものと一体になったと思い、自分自身を守る反応のことを指します。

例)東大の家庭教師に学んだから、私も東大に入れる可能性が大いにある等

11.摂取

自分の心の安定を保つ為に、周囲の物を取り入れる反応のことを指します。

例)志望校を去年合格した受験生の合格鉛筆を持って、志望校を受験する等

12.投影

自分以外のものに責任をなすりつけて、自分自身を守る反応のことを指します。

例)試験の結果が良くなかったのは、会場で賑やかにしている受験生が居たからである等

13.補償

劣等感を克服する為に、何らかの行動を行う反応のことを指します。

例)有名な大手企業に就職することで、貧乏な家に生まれた劣等感を克服する等

14.反動形成

自分の弱さを隠すために、逆の極端な行動をする反応のことを指します。

例)自分に出来る自信がないほど、虚勢を張る等

防衛機制には解釈が必要?

上記でご紹介したように、防衛機制の種類を説明して例を挙げると簡単に理解できます。
防衛機制は、種類も多く紹介していない防衛機制も存在しており、日常的にどの防衛機制を取っているかなどは把握しにくいです。

しかし、実際の相談などでは「事象→どの防衛機制なのか」と考える必要がある為、難易度がグンッと上がります。

防衛機制の解釈は、机上で勉強してもなかなか難しいので日常生活で少しずつ「これはなんだろう?」という疑問からどの防衛機制に該当するかを考えてみるとトレーニングになります。

まとめ

今回は、自分自身を守る為に防衛機制という反応が生じることをご説明しました。
種類は多数ありますが、学んでいくと自分の考え方がなぜそうなったのか等、ふとした瞬間に納得できることもあります。

精神分析の父である、ジークムント・フロイト氏やア娘のアンナ・フロイト氏の研究に感謝してこれからも学んでいけるような記事を書いていきます。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

参考
心理カウンセリングスペシャリスト資格取得講座by formie

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